No3. 中国人を知らない日系

石原慎太郎のスタンドプレイで日本はとんでもない苦境に立たされた感があるが、彼の無思慮な言動については別項目で叱るとして、彼に蒔かれたおぞましい事件の種は刈り取らねばならない。それは企業家諸君にとっては全面的撤退を意味する。筆者はそれ以外に損失を食い止める方策はないと推論する。

ここではなぜ撤退しかないかを語る以前に、すなわち諸君らにその解決策を与える前に、まず大事な手当として、諸君の頭脳のレメディ(治療)をすべきであると筆者は思う。

つまり、「自分たちの考えはまちがってなかった、だのに予期せぬ事態に発展した。損失の原因は中国側にあるのみ残念だ」と、もし貴君らが考えているならば、それは貴君らが当初から間違った考え方をもって中国の労働市場と販売市場に接近したのに、いまだその非に気づいていない証拠だといいたい。貴君らが明るいのは経済地理だけであって、歴史地理、社会心理地理、中国政府の地政学などに、まるで無知なのは、経営者として失格であって、その状況はほとんど病理の状態だと診断せねばならない。

貴君らに必要なのは、善後策や戦略ではない。無知でも猛進した独善というか、インバランスへの反省である。中国への見方を180度転換する率直な気持だけが、会社を救うであろう。

本論ではそこから論じて中国人の思考回路を教授し、まず反省を促した上で、善後策を講じよう。