No.4“日本の良品は悪”という反応は当然あること

 アメリカでジャパンバッシングが起こり日産自動車が何百台と打ち壊しに遭っていたとき、当時の石原社長は「より良い製品を国内のものより、より安く作って販売して、何が悪い?」と開き直っていた。

アメリカではその昔、日系人がいびつなトマトを出荷して、保護され買われていたが、ある年、青果市場で日系人が品質最高の野菜やくだものを大量に出荷してアメリカ市場を驚愕させた、その年に、猛烈な日系人バッシングが起こった。「サクラメント・ビー」という新聞の主幹マクラッチーは、率直に言っている。「日本人は優秀である。よく働く。だから好ましく思う。だがアメリカでだれより良い製品を誰より安く供給することがどんなに反発を買うか。解ってない」

マクラッチ-はさらに言う、「もし日本で、アメリカ人が日本でプランテーションをひろげ、日本人より素晴らしい産物をどんどん出荷したら、君らは喜ぶか。それを考えよ」と。

日本人はかかる経験を生かさない愚かな面があって、満州でも上海でもよりよい製品を作らせて猛烈な顰蹙を買い、それが反日、抗日の嵐を生んだ。しかるに21世紀になってもまだやっている。

ではどうすればよいのか、貴君らは先を急ぐだろう。むろんグローバライゼーションの21世紀である、昔とちがい解決の糸口はなんぼうでもあるし、その解決法を筆者は後述するけれども、まず貴君ら企業家にいおう、かつての石原社長に似た主張がどれほど現地人をいら立たせるか、それをまず理解するだけではなく、ハートで受け止めなさい。つまり、してやられた、恩を受けた者は仇で返したくなる屈折した心理まで、解らなければいけないよ、と助言して、それをなろほどと受け止めてから次章を読んでくれ給え。